2026.04  /  AI実践道場   第3回 / 全8回

臨床推論の
AIパートナー

鑑別診断・治療壁打ち・匿名化テクニック
岡本 賢  /  小児科 教育研修センター

臨床でAIを使う大原則

AIは「もう一人のレジデント」。参考にはするが、鵜呑みにしない。最終判断は必ず医師が行う。

「AIが間違えることがある」ではなく「AIは間違える」が正しい前提。

個人情報は
絶対に入力しない

壁打ち

鑑別診断のダブルチェックと治療選択肢の整理

鑑別リストの「穴」をAIに見つけさせる

ポイント

自分の鑑別リストを先に提示する。白紙で聞くより「見落としはないか」と聞く方が有用。

「あ、これは考えていなかった」が最大の価値。

40代女性。進行性の両下肢浮腫。 Cr 2.8(3ヶ月前 0.8) 蛋白3+、潜血2+、赤血球円柱あり。 【私の鑑別】 1. RPGN 2. ループス腎炎 3. IgA腎症 見落としている鑑別を指摘して。

治療選択肢は「素材」として受け取る

AIの回答をそのまま採用するのではなく、臨床判断の「素材」として使う。

最終的に何を選ぶかは、患者の希望や他の要因も含めて医師が判断する。

ハルシネーション対策

  • 「根拠を教えて」と追加質問する
  • ガイドライン・教科書で裏取りする(30秒で済む)
  • 複数のAIに聞いて比較する

コンサルテーションの回答をそのまま信じないのと同じ。

匿名化

医療情報をAIに安全に入力するための必須テクニック

入力データは外部サーバーに送信される。
匿名化は医師の責務。

3

匿名化の3ステップ

  • 個人識別情報を削除する
  • 準識別情報を曖昧化する
  • 固有情報をテンプレート化する

OK / NG の境界線

NG:入力してはいけないOK:匿名化済み
田中太郎さん(53歳男性)50代男性
患者ID: A-123456(削除)
2026/3/15 ○○病院に入院入院X日目
主治医の鈴木先生から紹介前医から紹介
HbA1c 8.2%, Cr 1.8, BUN 42, ...HbA1c 8%台, 腎機能低下あり

カルテメモ → 匿名化 → AI相談

カルテメモ

山田花子さん、67歳女性。3/10に当院呼吸器内科から転科。肺炎後に腎機能悪化。Cr 3.2(入院時1.0)。

匿名化済み

60代女性。肺炎で入院加療中、入院後に腎機能悪化。Cr 3.2(入院時1.0)。利尿薬使用中。

まとめ

壁打ち | 鑑別のダブルチェック、治療選択肢の整理
検証 | 根拠確認、裏取り、複数AI比較
匿名化 | 削除、曖昧化、テンプレート化

宿題 & 次回予告

宿題

  • 匿名化テクニックで実際の症例をAIに相談
  • 「根拠を教えて」を1回やってみる

次回: 第4回

書類作成を
10倍速に

紹介状・退院サマリー・診断書
ハンズオン回:PC持参推奨

ありがとうございました

岡本 賢  /  小児科 教育研修センター

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