- 468記事:港区の予防接種、健診、疾患別ホームケア
- 医師監修:すべての記事を自分で執筆・校閲
- AIチャット:記事を参照するRAGベースの質問応答
- 多言語対応:英語・中国語での閲覧
- 情報処方:外来で記事URLを直接紹介
Next.js + MDX + Vercel
デジタル医学会 2026 / 招待講演
岡本 賢 / 愛育病院 小児科
港区の子育て情報を集約した医療情報アプリ。468記事。月間アクセス数千。
小児科専門医試験の勉強アプリ。670疾患、過去問480問を収録。
今映しているこのスライドも自作。HTMLベースで7テーマ、エディタ付き。
医学部卒。研修医を経て小児科医。コードを書き始めたのは2024年。
外来で毎日同じ説明をしている。患者さんが正しい情報にたどり着けない。カルテの文書作成に時間を取られる。医師は日常的に「これ、アプリがあれば解決するのに」と感じている。
ドメイン知識と実装力が分離していることが、医療ITの根本的なボトルネック。
医師がアイデアを持つ
→ エンジニアに外注
→ 仕様のすれ違い
→ 高コスト・長期間
→ 多くが頓挫
医師がアイデアを持つ
→ AIに自然言語で指示
→ コードが生成される
→ すぐ試せる・すぐ直せる
→ 臨床知がプロダクトになる
Anthropic社が提供するAIコーディングツール。ターミナル上で自然言語の指示を出すと、AIがファイルを読み、コードを書き、実行し、エラーを修正する。「考える→実行する→確認する」のループを自律的に回す。
プログラミング用語を知らなくても、やりたいことを日本語で伝える
ファイル構成、UI設計、API連携まで自動生成
Webアプリとして公開。修正も自然言語で即座に
港区の子育て情報を「処方」する
小児科の外来は1人あたり10〜15分。病気の説明、ホームケア、受診の目安、薬の飲ませ方。伝えたいことの半分も伝わらない。親御さんは帰宅後にスマホで検索し、玉石混交の情報に振り回される。
「先生に聞いたことを家で思い出せない」「ネットで調べたら怖いことが書いてあった」
薬と一緒に、情報も渡す。これが「情報処方」のコンセプト。
Next.js + MDX + Vercel
外来で繰り返し説明しているトピックを洗い出す。これが記事のネタ元。
デザイン参考サイトのURLを渡し、トーンと構成を伝える。コードは全てAIが生成。
医学的内容は自分で書く。文体の統一、SEO最適化、リンク整備はAIが担当。
GitHubにpushするだけで自動デプロイ。修正も即反映。
$ 突発性発疹の記事を書いて。 対象読者は0-1歳の保護者。 構成: 症状→経過→ホームケア→受診目安。 トーンはやさしく、でも正確に。 参考: AAP Red Book, Nelson Textbook。 → 3分後、MDXファイルが生成される → 医学的内容を確認・修正 → git push → 即公開
プロダクトは論文のための装置にもなる。LLM×患者教育のSRを進行中。
自分の勉強道具を自分で作る
小児科専門医試験に特化した学習アプリ。疾患データベース+問題演習+弱点分析の3機能。
要件定義書はない。自分が勉強していて「ここが不便」と感じるたびにClaude Codeに指示を出す。使いながら作る、作りながら使う。このサイクルが1日に何度も回る。
呼吸器の疾患ファイルから 5択問題を3問作って。 選択肢は全部もっともらしく。 解説は各選択肢すべてに。
外注なら「要件定義→設計→開発→テスト→納品」に数ヶ月。AI Codingなら「思いつく→指示する→5分後に使える」。この速度差が、プロダクトの質を根本的に変える。
このスライドも自作です
学会発表、セミナー、勉強会。医師はスライドを作る機会が多い。しかしPowerPointは「1枚ずつ手作業で組む」ツール。30枚のスライドを作るのに半日かかる。デザインの統一も難しい。
1枚ずつ手動配置
デザイン統一が困難
テーマ変更で崩れる
バージョン管理不可
テーマCSSで一括制御
コンテンツはHTMLで構造化
テーマ切替は1行
Gitで完全管理
16:9ロック、ナビUI、PDF出力、スケーリング。触らない。
カラー、フォント、余白をCSS変数で定義。7テーマから選択。
発表ごとにHTMLを書く。テーマとエンジンは共有。
24種類のフレームワーク辞典からテーマに合う構成を提案してもらう。
メモ、原稿、論文URLを渡すと、45枚のHTMLスライドが数分で生成される。
Webエディタでテキスト修正、要素の移動、スライドの並べ替え。
参加者にURLを送るだけ。PDFも1クリックで書き出し可能。
アプリを作る → スライドシステムを作る → スライドでアプリの話をする。メタレベルの自動化。
| MINATON | 試験アプリ | スライド | |
|---|---|---|---|
| 動機 | 外来の課題 | 自分の勉強 | 発表の効率化 |
| 開発者 | 自分1人 | 自分1人 | 自分1人 |
| 外注費 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 開発期間 | 継続的 | 2ヶ月 | 1ヶ月 |
| 共通項 | 自分の問題を、自分の言葉で、AIに指示して解決 | ||
ターミナルで1行コマンドを実行するだけ。
「自己紹介ページを作って」と指示する。30秒で動くWebページが完成する。
小さくていい。「当番表を自動生成するツール」「薬剤量計算機」など。
「セキュリティは大丈夫?」
患者の個人情報はコードに含めない。公開情報のみでプロダクトを構成する。API鍵は環境変数で管理。
「医療機器規制に該当する?」
診断・治療の意思決定を行わない情報提供ツールは、現行法上は医療機器に該当しない。ただし分野と機能による。
「AIが間違ったコードを書いたら?」
エラーが出たらAIに直させる。「動かないので修正して」で大抵解決する。完全に詰まったら新しいセッションで最初からやり直す。
「月額いくらかかる?」
Claude Codeは月額$100〜$200程度。Vercel(ホスティング)は個人利用なら無料枠で十分。外注費と比べれば桁が違う。
技術的には正しい。しかし「外来の15分で何が起きているか」「親がどこで不安になるか」「この薬は粉にして飲ませる文化がある」といった暗黙知が抜け落ちる。
技術的にはAIに任せる。しかし「何を作るか」「誰のために」「どの文脈で使うか」の判断はすべて臨床経験に基づく。この判断こそが価値。
残るのは「何を作るか」の判断。それは臨床の中にしかない。
岡本 賢 / 愛育病院 小児科
X: @okamon_sen / minaton.jp