となりのAI ─ 若手医師の現場ラジオ
病院でやろうとしたら、何が壁だったか ── シリーズ最終回
おかけん(岡本 賢)
聞かれた瞬間に「刺さった」と思いました。ここで「入れてますよ」と答えていたら、間違いなくその場で終わっていた。
壁は技術の難しさではない。不安でした ── 情報漏洩リスクへの不安。その不安が先に解けた瞬間、人は動き出す。
個人使用
責任範囲
自分の中で完結
判断も責任も自分の中で完結している。
組織使用
責任範囲が一気に広がる
同僚に広げる瞬間に、個人の工夫が組織の事故になる可能性が出てくる。技術論ではなく、構造の話です。
「完璧なガバナンス文書を作ってから始めるべき?」── それをやると誰も始められない。文書がメインになり、実例ゼロで会議だけ積み上がる。出発点はもっとシンプルです。
Approach
動くものを見せた瞬間、会話が変わる
Step 1 ── 最初の30秒
「患者情報は
入れていない」
この事実を最初の30秒で言える設計にしておく。不安が先に解ける。
Step 2
ツールのデモを
見せる
不安が解けた状態で見るデモは、見え方が全く違う。
Step 3 ── 愛育病院での実例
相手が
前のめりになる
腕を組んでいた相手が画面に近づいてきた。「それなら試してみたい」
安全が先の場合
不安が最初に解ける → 前のめりになる → ツールの価値が伝わる
技術から入った場合
「患者情報大丈夫?」という気持ちが残ったまま話が進む → 前のめりにならない
ここだけは、笑い話にできない話です。
もし1つだけ持ち帰ってもらうなら
明日、1人の同僚にデモを見せてください。最初の反応が、あなたの病院の「壁」を教えてくれます。
壁は技術ではなく、不安でした。不安が先に解ければ、組織は動き出す。「患者情報を入れていない」という事実が、最初の壁を消す。そこから始める。
Next Series
次のシリーズでは、この道筋をさらに前に進めます。またお会いしましょう。
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