となりのAI ─ 若手医師の現場ラジオ

発展編 発5「組織」

病院でやろうとしたら、何が壁だったか ── シリーズ最終回

おかけん(岡本 賢)

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となりのAIOpening Fact

最初の反応は
「患者情報を入れてる?」だった

Demo Screen 外来ツール画面
(収録時に実画面に差し替え)
「先生、それって
患者情報を入れてる?」

聞かれた瞬間に「刺さった」と思いました。ここで「入れてますよ」と答えていたら、間違いなくその場で終わっていた。

壁は技術の難しさではない。不安でした ── 情報漏洩リスクへの不安。その不安が先に解けた瞬間、人は動き出す。

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となりのAIStructure

個人の工夫が、
組織の事故になる可能性が出てくる

個人使用

責任範囲
自分の中で完結

判断も責任も自分の中で完結している。

→

組織使用

責任範囲が一気に広がる

同僚に広げる瞬間に、個人の工夫が組織の事故になる可能性が出てくる。技術論ではなく、構造の話です。

「完璧なガバナンス文書を作ってから始めるべき?」── それをやると誰も始められない。文書がメインになり、実例ゼロで会議だけ積み上がる。出発点はもっとシンプルです。

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となりのAIDesign

Approach

実例が先、
ルールは後

動くものを見せた瞬間、会話が変わる

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となりのAISafety Line

出発点はNG1点だけ

外部AIに入力しない
  • 患者氏名(名字だけでも他の情報と組み合わせると識別可能)
  • 患者ID・カルテ番号
  • 生年月日
  • 住所・電話番号・保険証番号
  • 診断名・検査値・処方内容(識別子と組み合わされた形)
  • 手術記録・入院サマリ・退院時要約
使えるデータ
  • ダミーの数値(体重5kg、7歳男児など)
  • 公開情報・医学文献・院内勉強会スライド
  • 匿名の一般的な症例パターン
  • 患者識別子と切り離した学習用データ
「患者識別情報を外部AIサービスに入力しない」── これだけ。この1点が全員の共通認識になれば、実例を始められます。
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となりのAIDemo Design

技術を見せる前に、安全を見せる

Step 1 ── 最初の30秒

「患者情報は
入れていない」

この事実を最初の30秒で言える設計にしておく。不安が先に解ける。

→

Step 2

ツールのデモを
見せる

不安が解けた状態で見るデモは、見え方が全く違う。

→

Step 3 ── 愛育病院での実例

相手が
前のめりになる

腕を組んでいた相手が画面に近づいてきた。「それなら試してみたい」

安全が先の場合

不安が最初に解ける → 前のめりになる → ツールの価値が伝わる

技術から入った場合

「患者情報大丈夫?」という気持ちが残ったまま話が進む → 前のめりにならない

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となりのAIAbsolute Lines

絶対線は3つだけ ─ これを守れば組織で使える

1
患者識別情報を外部AIサービスに入力しない 状況によらず、絶対線です。「これくらいなら大丈夫かな」という感覚判断で入れないでください。
2
AIの出力を診断・治療方針の最終判断に使わない AIが何かを提案しても、必ず自分の目で一次資料を確認する。委任しない。
3
AIを使った事実を記録に残す習慣をつける 後でガバナンス審査に答えられる準備。この積み上げが組織の信頼になる。
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となりのAIWrap Up

体験→実装→連携→経営→組織 ─ 道筋を一周した

体験 実装 連携 経営 組織 発1 発2 発3 発4 発5

もし1つだけ持ち帰ってもらうなら

明日、1人の同僚にデモを見せてください。最初の反応が、あなたの病院の「壁」を教えてくれます。

壁は技術ではなく、不安でした。不安が先に解ければ、組織は動き出す。「患者情報を入れていない」という事実が、最初の壁を消す。そこから始める。

Next Series

次のシリーズでは、この道筋をさらに前に進めます。またお会いしましょう。

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若手医師の現場ラジオ

シーズン2へ ─ 研究・キャリア編

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